建設現場や商業施設、イベント会場などで見かける「警備員」と、治安維持の要である「警察」。
両者はどちらも社会の安全を守る存在ですが、その業務内容や役割は大きく異なります。
しかし、現場担当者や企業の管理者の中には「どこまでが警察の仕事で、どこからが警備員の業務なのか」と疑問を持つ方も少なくありません。
本コラムでは、警察と警備員の業務範囲の違いを整理し、適切に依頼・活用するためのポイントを解説します。
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◆警察の業務内容と役割
犯罪捜査や治安維持を担う公的機関
警察は「公共の安全と秩序の維持」を目的とする国家機関です。
主な業務内容には以下が挙げられます。
- 犯罪捜査(窃盗、暴行、詐欺などの刑事事件)
- 交通取締り(飲酒運転の取り締まり、交通事故の処理)
- 防犯活動(交番での巡回、地域の防犯指導)
- 災害時の避難誘導や人命救助
警察官は「警察官職務執行法」に基づき、逮捕権や職務質問権を持ちます。
つまり、法的権限を背景に強制力を行使できる点が最大の特徴です。
民間依頼には直接対応できないケースが多い
企業がイベントや建設現場で「混乱を避けたいから警察を配置したい」と考えることもありますが、
原則として警察は個別の民間依頼に応じることはできません。
彼らの役割は公共の秩序維持であり、民間施設や現場の安全管理は警備会社が担うべき領域となります。
◆警備員の業務内容と役割
民間施設やイベントの安全確保を担う
警備員は「警備業法」に基づき活動する民間の専門職です。
業務内容は多岐にわたり、大きく以下の4分類に分けられます。
- 施設警備:オフィスビル、商業施設、病院などでの出入管理・巡回警備
- 交通誘導警備:建設現場や道路工事現場での車両・歩行者の安全誘導
- 雑踏警備:花火大会やライブイベントなどでの人流整理や事故防止
- 貴重品運搬警備:現金輸送車や貴重品搬送の護衛
警備員には逮捕権などの法的強制力はありませんが、危険を未然に防ぎ、安全な環境を維持するために行動します。
現場の「安心・安全」を確保するのが警備員の使命です。
企業が警備員を活用すべき具体例
- 建設現場:通行人の安全確保、重機搬入時の車両誘導
- 商業施設:万引き防止、トラブル対応、夜間巡回
- イベント会場:入退場口での整列整理、緊急時の避難誘導
このように警備員は企業活動の現場に密着し、警察がカバーしきれない「日常の安全」を守っています。
◆警察と警備員の違いを整理
法的権限と業務範囲の比較
両者の違いを簡潔に整理すると以下の通りです。
| 項目 | 警察 | 警備員 |
| 所属 | 国家公務員(公的機関) | 民間企業(警備会社) |
| 法的権限 | 逮捕権・職務質問権あり | 強制力なし |
| 主な目的 | 公共の治安維持、犯罪捜査 | 施設や現場の安全確保 |
| 活動範囲 | 全国的、公共空間中心 | 民間施設・イベント・工事現場 |
| 依頼方法 | 個別依頼は不可 | 契約に基づき依頼可能 |
つまり、警察は「犯罪や大規模事件への対応」、警備員は「日常の現場管理と安全確保」という役割を持ち、
互いに補完し合う関係にあります。
◆企業が警備会社を選ぶ際のポイント
経験と実績のある会社を選ぶ
警備員は現場ごとに求められる対応が異なります。
例えば建設現場では交通誘導の経験が不可欠ですし、大規模イベントでは人流管理や緊急対応のノウハウが重要です。
そのため、業界経験や類似案件の実績が豊富な警備会社を選ぶことが安心につながります。
教育体制と法令遵守を確認する
警備員は「警備業法」に基づき新任・現任教育を受ける必要があります。
教育体制が整っている会社であれば、現場での判断力や対応力に差が出ます。
また、労務管理や法令遵守を徹底しているかも重要なチェックポイントです。
【まとめ】
警察と警備員は同じ「安全を守る存在」ですが、その役割と権限には明確な違いがあります。
警察は公共の秩序維持や犯罪対応を担い、警備員は企業活動やイベント運営の現場を支える安全管理の専門職です。
企業が求めるのは「現場での安心・安全の確保」であることが多いため、適切な警備会社を選定することが成果につながります。
もし交通誘導やイベント警備でお困りなら、実績豊富な修明にぜひご相談ください。
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